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「おんなのこきらい」を観てみた。※ネタバレ有

こんにちは、ナビコです。

 

今回は、映画の感想をつらつら連ねていきたいと思います!

 

”おんなのこきらい”という映画をご存じでしょうか。

 

元々、Twitterで「過食嘔吐の女の子の苦しみ」がリアルな映画だということで、

前から気になっていました。

 

 

ずばり!この映画のオススメポイント!
  • 主人公演じる森川葵さんの演技力
  • かわいいは最強!でも人生イージーモードじゃない
  • 男性から求められることで承認欲求を満たす女の子って?
  • ありのままの自分を愛してくれるのって?

 

逆に、残念なところ
  • ひと昔の映画ということもあるのか、衣装が…
  • 過食嘔吐の苦しみにフォーカスしている作品ではなかった
  • 見ていて楽しい気分になる映画ではないので注意

 

主人公は生粋のぶりっ子…?

 

森川葵さん主演の映画で、

主人公は、自分のかわいさを武器に上目遣いで媚を売り、

男性にはチヤホヤされ、女性には疎まれる

キリコという女の子です。

 

女性としては、顔がよくて、その顔の良さで

男を手玉に取る女がいたら、鼻につきますよね。

なんなんだあいつ!って。

 

みんな、顔が良い人は大好きなのに、

その人自身が己のかわいさを自覚して、

利用している美人のことは大嫌いなんですよね。

なんででしょうね。

 

以下、ネタバレ含まれて行きますよ~~~!

 

わたしはかわいい

 

キリコは、かわいくて、それを自覚している

いわゆるぶりっ子として登場します。

 

自分のことを「わたし、かわいいんで」「お前らと一緒にすんなブス」

と言えちゃう彼女は、かわいい自分に自信を持っている。

 

 

私は、こんなにあからさまな態度をとる女性に会ったことはないけれど、

合コンになると周りがドン引きするくらい男性に色目をつかうと

噂が流れていた同級生を思い出しました。

 

 

キリコは、会社の女性からは敬遠されているが、

男性陣から飲み会に誘われたり好意を寄せられたりする。

そうやって、”かわいい女の子”としてモテることを

生きがいとしているのかと思いました。

 

 

無敵かわいいなキリコにも、思い通りにならない男性がいる。

好きなのに、その人とは身体の関係で付き合っているわけじゃない。

 

眠っている彼に「すきだよ」とささやく姿は、

いまは体の関係だけど、いつかはこっち向いてね。

と、相手を愛おしく思う気持ちが感じられました。

でも結局は、自分の自己肯定感をあげるための存在として、

その人のことが好きなのかな、とも思いました。

 

 

かわいいわたしは、最強のはずだった

 

かわいい女の子は最強。

だから、わたしは“かわいい女の子”でいるんだ。

 

 

かわいいで武装したキリコの世界が徐々に崩壊していく。

 

 

会社では女性の先輩上司を逆上させてしまい、みんなの前で恥をかいてしまう。

取引先の男性には、「男全員に色目が通用すると思うな」と言われてしまうし、

好きな男性は、職場のぽっと出の女と身体を重ねた。

 

 

かわいいわたしは、みんなが必要としてくれる。

そうじゃないの?

 

 

好きな人と身体を重ねた女性は、

「付き合っているわけじゃない。断れない性格だったからそうしただけで、

キリコさんとのほうがお似合い」と、キリコに告げる。

 

 

その女性も、男性に求められることで、

自己肯定感が増すタイプなのかもしれない。

1人の男性に愛されるよりも、複数の人からのアプローチや行為に

幸福感を感じるのだと思う。

 

でもキリコは、その女性の態度に激怒する。

人の愛する人を横取りするなんて、最低な奴だと。

 

 

そして、たまたまさみしさを埋めてくれそうな

会社の同僚と身体を重ねてしまうが、そこに感情はない。

 

 

その同僚は、とある女性社員に好かれていて、社内でキスもしていた。

同僚は「キリコちゃんと付き合いたい」と申し出る。

「うそつき」と吐き捨てるキリコだが、

キリコ自身もも誰かの想い人を寝取り、自己肯定感をあげる養分にしたことは、

棚上げしている。

 

(自分がされて嫌なことをキリコ自身もしちゃってるんだけどなぁ…)

 

 

かわいいなんて空虚だ

 

かわいくたって、好きな人には振り向いてもらえない。

 

なんてみじめなんだろう…

 

キリコは過食嘔吐を繰り返し、仕事も休むようになってしまいます。

 

そんな時。

キリコの同級生で取引先の男性に救われます。

 

男性は、キリコが苦しむ背中を優しくさすってくれる、

落ち込んでいる時には黒糖飴を差し出してくれるような、

垢ぬけないけど優しい人だ。

 

キリコは、その男性のおかげで女の子らしい格好をしなくても

かわいいと言ってくれる人がいることに希望を見出し、

髪の短いボーイッシュな女の子に変貌します。

 

彼となら着飾らない自分でいられる。

 

そう感じたキリコでしたが、

実は男性には奥さんがいました。

 

また裏切られた。

 

好きじゃないのに、かわいいだなんて気安く言わないでほしかった。

 

男性は、私みたいなめんどくさいメンヘラより、

奥さんのような、天然で優しいかわいい人を選ぶんだ。

 

 

(いやぁ、奥さんいるなら、思わせぶりな態度をとったり、

優しくしないでほしかったな。ずるいよ~~

期待しちゃうじゃん。かわいいだなんて言わないでほしかったなんて、

本当にその通りだと思う!

でもでも、男性側目線で、

目の前で一生懸命生きている、不安定ないたいけな女の子が

苦しんで泣いていたとして、自分が手を差し伸べたら、

はにかみながら不器用にその手をとってくれるとしたら?

そばでくるくる笑ってくれるとしたら?)

 

(うーーーーん。ついつい後先考えず、助けてあげちゃうかも…

なんだか、男心をくすぐるのがうまいですね、この子は!

でもこの男性はずるいよ、奥さんいるんだもん!)

 

キリコは、「かわいい女の子」を演じていただけ

 

昔から、かわいい女の子として、そして性格が悪いと言われてきた。

 

おそらく、自分に圧倒的自信がなかった。

唯一の武器が、かわいい顔であったこと。

しかし、かわいいだけでは、心は満たされない。

男性にちやほやされて、周りの女性が嫉妬心を抱くことによってはじめて、

キリコは自分を認めることができたのだろう。

 

心が満たされるためには、チヤホヤされ続けなければならない。

 

本当は、かわいい服装にも、女の子らしくいることにも興味がなかった。

 

キリコは、他の登場人物と比べて衣装のバリエーションが少ないことからも、

おしゃれに興味がない可能性が高い。

(予算がないのかな?と思うほど生地が…あと服装もいつも同じ)

部屋着で外出したり、部屋は女の子らしいわけでもなかったり、

バッグは実用性重視の大きいもの。

スカートを短くしているのも、

男はミニスカート履いている女の子が好きなんでしょ?

という考えがもろに見えていて、とても白々しい感じがする。

 

かわいい私は偽りで、

ほんとうはかわいいものが好きなわけでもなくて、

満たされたいだけなのに、

満たされるにはかわいい女の子でいなければならない。

その強迫観念による苦しみが過食嘔吐の症状として表れる。

 

ボーイッシュな髪型をかわいいと言ってくれた彼にも裏切られた

キリコは、たくさん泣く。これでもかと泣き続ける。

誰も私を愛してくれない。

どんなにつらくても明日はくるし、強く生きていかねばならない世界。

キリコは、鏡の自分に笑いかけ、映画が終わる。

 

そのあとの彼女の人生はどうなったかは知りえません。

想像するしかないのですが、

男性に好かれるために偽っていた自分を、

キリコがキリコのなりたい自分へ変われたのだとしたら、

辛い経験も糧になったね、よかったね。と言えるのですが、どうなんでしょうね。

 

ありのままの自分を愛すというのはなかなかむずかしいかもしれませんが、

この映画を見た人が、だめな自分をやさしく受け入れて、

なりたい自分になれるように、明日もつよく生きていけますように。

 

ここまでお付き合いいただきまして、ありがとうございます!

おすすめの映画がありましたら、教えてくださいね☆

 

以上、ナビコでした!